井の中の蛙の夢

食いしん坊で人付き合いが苦手な30代ゲイのささやかな日記です。

出来合いの天国・マックをキメる――てりやきをめぐる煩悶(1)

今日で禁酒して4日目・・・・・・にして異変が起こった。

昼ご飯を食べながら、何の気もなしにTwitterを見ていたら、一つの画像つきツイートに目に留まった。

 

画像には、マクドナルドの期間限定の新商品「北海道じゃがバタてりやき」、「大阪お好み焼き風ソースたまごてりやき」「博多明太てりやきチキン」の3点と、ポテトのLサイズ1点が映っており、「マック新作映え~!」というメッセージが添えられていた。

 

僕(かわず)はマックが大好きである。

フランスの詩人で、詩集『悪の華』などで知られるシャルル・ボードレール(1821~1867)は、ニガヨモギから造られるハーブ酒・アブサンを「出来合いの天国」と喩えたという。

アブサン飲めば、この世はハッピー!」みたいなニュアンスだろうか。ちなみにボードレールは、アルコールと薬物依存で46歳の若さで亡くなったという。

 

かわずにとって、マックとストロング酎ハイの組み合わせは、令和の「出来合いの天国」にほかならない。まさに、ダメな大人のハッピーセットである。

そんなハッピッピーな誘惑に抗えず、日が沈むとともに、指は勝手にマックのスマホアプリを起動した。

 

昼に見たツイートの主を真似して、新作豪華3点セットをモバイルオーダーしようする。この「3」という数字がにくい。本当は2個で満足なんだけど、3個食べられないこともないから、ついでに注文してしまおうという絶妙な設定。

ついでにチキンナゲッツも頼んで・・・それも2箱・・・ソースは2種類♪・・・と悪行の限りを尽くそうとする、かわず。

 

さあ、Paypayで決済しようというとき、ふと指が止まった。

本当にこれで良いのだろうか・・・と、良心ではなく、いくばくかの健康志向と食い意地がストップをかけたのである。

 

いくばくかの健康志向は囁く。

 

「北海道じゃがバタてりやきって、小麦とじゃがいものダブル炭水化物だけど、本当にいいの?」

 

食い意地は囁く。

 

「照り焼きバーガーって、照り焼きソースがすでにかかっているんでしょ?それに『大阪お好み焼きソース』がさらにかかっていたら、ソース同士がけんかするんじゃないの?」

 

「照り焼きソースと明太子って合うの・・・?」

 

つい先日、平成バーガー復活祭の時には何のためらいもなく貪っていたにも関わらず、

照り焼きシリーズになると急に尻込みしてしまった。

 

平成バーガーは平成時代のすべてを生きた民に向けた商品だったのに対し、今回は若干違うのではないか・・・?と。ただ、マック側は「大人のご当地てりやき」と銘打っており、必ずしもそうではないらしい。

 

けれども、北海道じゃがバタてりやきのダブル炭水化物は、大学の学食でラーメンやカレーを頼んでも、なぜかおまけ(?)でたまに出てくる、じゃがいも餅を彷彿とさせる。

20歳前後の若者にはいいかもしれんが、おっさんにはちょっとつらいアレ。もったいないから食べるけど。

 

そして、照り焼きソースとお好み焼きソース&明太子という前代未聞のマリアージュは、食に対して保守的になりやすい年齢にさしかかると、やはりためらってしまう。

 

煩悶するかわず。それだけマックに対して真摯なのだ。

そんな時、平成を代表する歌姫の楽曲が脳内再生され始めたのである。